脳腫瘍とは
脳腫瘍とは、脳の疾病のひとつで、頭蓋内組織に発生する新生物のことを意味する。すなわち、脳腫瘍は脳細胞だけでなく、硬膜、クモ膜、頭蓋内の血管や末梢神経、その他の頭蓋内に存在するあらゆる組織から発生する。発生頻度は毎年約100,000人に12人の割合であるとされている。疫学的には「齲歯の未治療期間」との相関性が指摘されているが、具体的な発生要因は明らかではない。
症状
脳腫瘍は通常何らかの症状が出現したときには、すでに腫瘍はある程度の大きさに成長しているため、脳浮腫を引き起こしている場合がほとんどであり、頭蓋内圧亢進症状すなわち、頭痛、悪心、嘔吐等を起こすとともに、発生部位によっては局所症状として視野欠損や難聴、運動麻痺、言語障害などを伴うことがある。また皮質に病巣がある場合はけいれん発作を起こす場合が少なくない。なお、頭痛は朝起きてすぐが最も痛みが強く、morning headacheと呼ばれる。
悪性度
一般に、脳腫瘍における病理組織学的な悪性度も、組織型の分類と同じくWHOによる分類法が利用されており、悪性度が最も低いことを意味するGrade Iから最悪のGrade IVまでの4段階に分類して、個々の腫瘍と対比している。この悪性度と発生部位には関連性があり、一般に脳外の場合は比較的良性の場合が多く、逆に脳内の場合は悪性である可能性が高い傾向にある。
ただし、脳腫瘍はその発生場所が、脳という生命維持に重要な器官であり、かつ丈夫な頭蓋骨に囲まれた狭い場所であるという特殊条件ゆえに、前述の病理学的なものだけで判断するのは好ましくなく、臨床的な立場で悪性度を考える必要がある。すなわち、腫瘍の発生部位、大きさ、浸潤性であるかどうか、放射線もしくは薬剤に対する反応性などを考慮する必要性がある。なお、脳腫瘍には基本的には病期と言う概念は存在しない。